皆さん、こんにちは!
学習塾サンライズ代表の中田です。
本日は「母語」、「母国語」、「公用語」の意味と違いをお知らせします。
結論ですが、生徒さんの皆さんには今後ぜひ「母語」の使用もお勧めします(母国語だけではなく)。
少しずつですが日本国内でも、日本以外の国籍をもつ方々と接することがより多くなっています。
その場合、"母国語=日本語" の使い方をしてしまうと、不具合が生じるかもしれません。
例、「オンライン勉強会では、母国語でグループ討論しましょう!」 ⇒ 「???」。解説は後ほど。
① 「母国語」
母国語とは、一つの言語の話者が圧倒的多数の国である場合、法律で定めるまでもなく、その言語が事実上公用語の役割をしている場合がある。
つまり日本においての母国語は事実上、日本語です。
事実上といっているのは、とりわけ日本国憲法や法律、条例などで何も規定されてないからです。つまり「日本語を使用する義務がある」という規則は存在しないのです(裁判など一部例外を除く)。自然に(慣習的に)そうなってるだけなんですね!
② では「公用語」は?。
公用語とはまさしく "おおやけ" で使われる言葉。日本では公的な場面(国会、行政、市役所など)で用いられています。日本での公用語は事実上、日本語です。こちらも事実上なので、母国語同様に国や自治体によって規定されていません。
また事実上、日本の場合「母国語 = 公用語 = 日本語」が成り立つ場合が多いです。
③ 「母語(ぼご)」
母語とは「ヒトが生まれて最初に習い覚えた言語」、もしくは「幼児期に最初に習得される言語」という意味の言葉です。幼い頃に周囲の人が話すのを聞いて、自然に習い覚えた初めての言語を指します。英語で母語を表現すると、「mother tongue」や「native language」という表現なります。
日本の場合 2024年現在でも「多くの日本人の母語は日本語である」が該当すると言えるでしょう。
ちなみに、わたくし代表(中田)の母語も日本語です。
では先ほどの母国語にもどりましょう。日本ではテレビやネット情報その他、無意識に「母国語 = 日本語」の意味で使われることが少なくありません。しかし先述のように日本国内にいる国籍の異なる方々に対して、無意識に「母国語 = 日本語」を用いてしまうのは適切で無いと考えます。先ほどのグループ討論「オンライン勉強会では、母国語でグループ討論しましょう!」 を使ってしまうと、「母国語?わたしの母国語は韓国語」、「ボクの母国語は中国語」、「わたしの母国語は日本語」、・・・となる可能性もあります。
以上より、母国語でグループ討論⇒ 「???」のことを、ご理解して頂けたかと思います。
また、国籍を自認していない方々もおられます。書類上の国籍はあるものの、自分の国籍は「わからない!」と回答される方もおられます。実際にわたくしも、マレーシアの大学でそれに該当する大学院生とお会いしたことがあります。下記になります。
書類上の国籍は韓国、出身高校と大学は日本、日本語会話能力は一般の日本人(大学院生)と変わらず。見た目も日本人と同様。しかし国籍に関しては本人いわく「自分の国籍はわからない」と。
このケースでも母国語を使うことは望ましくないと思われます。
しかし一方で母語の使用は問題無いと考えます。こちらの大学院生さんに「母語をお尋ねしても良いですか?」という尋ね方は悪くないと思われます。
わたしくも生徒さんへの英語授業のとき、必要性を感じて確認することがあります。"母語が日本語である人々はローマ字発音やローマ字読みに慣れている" を説明するときです。このケースでは必ず母語を使用しています。生徒さんへ母語の説明をし、生徒さん自身の母語を確認します。母語が日本語であると確認できたとき、日本語を母語とする人々が苦手とする英語の発音や文法を説明します。一見これら大変回りくどいようですが実際には簡単です。母国語ではなく母語を使うだけなので。
日本では今後、学校やその他の場所で "国籍が日本以外の方々" や "国籍自認をしていない人々" に出合うこともより多くなると思われます。その場合、もし言語の話しになったとき「母国語」を使うときは無意識に用いるのではなく意識して使いましょう。また母語の存在を上手に活用できると何よりです。
このことは結果として、他者への思いやりにもつながります。
とくに学習塾 サンライズ所属の皆さんには、母国語と母語を適切に使い分けされることを期待しております。
加えて友だちや周囲の方々に「母国語」「母語」の意味を尋ねられた場合、正確な説明ができると何よりです。
以上、「母国語」「母語」の意味と違いでした。
(画像:遠い辞典)